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症状固定の手続きや流れと損害賠償の関連性

  • 2019/4/2
  • 2021/06/14

交通事故の怪我で長期間治療を受けても回復が見込めない場合、症状固定と判断されます。

症状固定になるとそれ以降の治療費は加害者側に請求することができませんが、後遺障害が残ることで別に慰謝料を受け取れる場合があるのです。

では、慰謝料請求における症状固定とはどのようなものでしょうか。

症状固定のメリット・デメリットと損害賠償の関連性

症状固定におけるメリット・デメリット

メリット デメリット
後遺障害等級認定を受けることが出来る 症状固定と診断された日から治療費は加害者へ請求することが出来ない

症状固定におけるメリット

後遺障害等級認定を受けることが出来る
→後遺障害等級認定が認定された場合、積極損害や消極損害とは別に自賠責保険から決まった保険金が被害者へ支払われます。

では後遺障害認定を受けるにはどういう手続きを踏めばいいでしょうか

[後遺障害認定までの流れ]
STEP1:症状固定を受ける
STEP2:医師による後遺障害診断書の作成
→病院に記載してもらう必要があります。
STEP3:診断書と損害額請求書を保険会社へ提出
→自動車損害賠償責任保険支払請求書兼支払指図書を作成しなければなりません。
STEP4:障害等級の認定
STEP5:支払額の決定
STEP6:保険金の支払

後遺障害認定の流れや必要資料の解説はコチラから

後遺障害申請は、任意保険会社へ任せる方法と被害者自身が申請する方法の2つがあります。

任意保険会社に任せる方法

任意保険会社が自賠責保険会社に後遺障害認定申請を行い、被害者の後遺障害等級をあらかじめ確認して自賠責保険からの補償分を把握するために行う手続きです(事前認定)。
この手続きでは、被害者側で用意する書類は医師に作成してもらう「後遺障害診断書」のみであり、手続き自体は簡単です。

被害者自身が申請する方法

後遺障害等級認定の申請において、被害者自らが加害者側の自賠責保険会社に手続きを行う方法もあります(被害者請求)。この場合、「後遺障害診断書」に加えて数多くの書類を被害者自身で用意する必要があります。
※手続きを任意保険会社に任せる際のデメリット
上記で説明した事前認定の手続きを行う場合、「後遺障害診断書」以外の書類はすべて任意保険会社が用意します。その添付書類の中で、加害者および任意保険会社に有利な情報が含まれている可能性もあるのです。つまり、任意保険会社本意の申請になることから、後遺障害等級認定において被害者に不利になるケースも考えられます。
[後遺障害慰謝料の支払い限度額]

後遺障害等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
第1級 1,100 1,850 2,800
第2級 958 1,450 2,370
第3級 829 1,150 1,990
第4級 712 850 1,670
第5級 599 750 1,400
第6級 498 650 1,180
第7級 409 550 1,000
第8級 324 450 830
第9級 245 350 690
第10級 187 250 550
第11級 135 200 420
第12級 93 150 290
第13級 57 65 180
第14級 32 45 110

上記表に記載している通り、どの等級も最も高い支払基準は弁護士基準となり、次に任意保険基準・自賠責保険基準の順となります。弁護士基準は、弁護士が対応することでその基準に当てはめることができます。

損害賠償の観点からの症状固定

損害賠償の観点では、賠償期間を早期に終了させる方法として、回復を見込んだ治療期間は傷害部分、症状固定以後を後遺障害部分と分けています。傷害部分に関しては、加害者側の任意保険会社から損害賠償金の一部として受け取ることができ、それに加えて慰謝料の請求もできます。

しかし、後遺障害部分においては、被害者が緩和治療を続けたとしても際限がないことから、その間ずっと治療費を請求することはできません。

ただし、ずっと残り続ける後遺障害に対する慰謝料および、後遺障害が残って労働能力が失われたことで得られなくなった利益を、逸失利益として受け取ることが可能です。ちなみに、損害賠償請求は症状固定から3年以内と決められています。

症状固定におけるデメリット

症状固定と診断された日から治療費は加害者へ請求することが出来ない
→治療の効果が無くなるのが症状固定日なので、それ以降の治療費は意味がないとなります。また、治療のための交通費や看護費も請求できなくなります。

    <症状固定になる時期の目安>

  • むちうちの症状固定は6ヶ月
  • 骨折系の症状固定は3ヶ月以上
  • 醜状障害の症状固定|6ヶ月以上
  • 高次脳機能障害の症状固定は1年以上

症状固定と判断されるポイント

症状固定を判断するのは医師

加害者側の任意保険会社が、独自の判断で被害者に対して症状固定の打診を行うことがあります。それにより、治療費の賠償(任意保険会社がまとめて治療費の賠償分を支払う一括対応)が打ち切られるケースがあるのです。

しかし、症状固定の判断は任意保険会社ができるわけではなく、あくまで治療を行っている医師が長期的に症状の経過を見たうえで判断するものです。症状固定のタイミングは医師と相談することが求められます。

それ以前に任意保険会社からの一括対応が打ち切られた場合には、まだ治療が必要という証明をするために、医師に診断書などの書類を作成してもらう必要があるでしょう。

症状固定と判断してもらうためには

症状固定と認められるためには、治療を施したにもかかわらず回復できないと判断されなければなりません。そのためには、通院の間を開けずコンスタントに行うことが大切です。通院の間を空けてしまう、また自己判断で一時的に通院をやめてしまった場合、治療の継続によって症状固定となるか否かの判断をつけることが難しくなります。

そのうえ、通院の間が空いた場合、その症状に関して交通事故の怪我との因果関係を疑われることもあるのです。後遺障害認定の場合にも症状が一貫していることが求められるため、それを証明するには継続的に通院を行うことが求められます。

「症状固定にしましょう」の言葉に要注意!早期に症状固定を打診する2つの理由

加害者側の任意保険会社は、被害者の怪我の治療が一定期間を過ぎると「症状固定にしましょう」と持ち掛けることがあり、これを鵜呑みにすると被害者が不利になる可能性があります。

任意保険会社が症状固定を打診する理由としては以下の2つです。

損失を最小限にする

症状固定を判断するのは医師であるにもかかわらず、任意保険会社がこのように打診するのには理由があります。それは、損害賠償期間をできるだけ早期に終了させ、慰謝料を含めた賠償額をできるだけ抑えたいという意図があるためです。

加害者側の任意保険会社には、加害者にできるだけ有利になるように話を進める狙いだけではなく、会社自身の損失を最小限にしたいという狙いもあります。

早期に示談交渉をしたい

人身事故を起こした加害者は、過失運転致死傷などの刑事罰に問われ、罰を確定させるために裁判を受けることとなります。この時点で、被害者側と示談交渉が成立していれば、その分量刑が認められ、刑事罰が軽減されることがあるのです。

そのため、加害者側としては示談交渉を手早く済ませたいという意図があります。しかし、被害者側としては、症状固定と判断され後遺障害認定を受けた後、損害賠償額が確定しなければ、示談に応じると不利になることもあるでしょう。そこで、加害者側はできるだけ症状固定までの期間を早める動きに出るわけです。

症状固定後に被害者がとるべき行動

症状固定後に後遺障害等級の事前認定をすると、任意保険会社に手続きを一任することになり、不利な状況に追い込まれかねません。

そのため、可能であれば被害者請求の手続きで後遺障害等級認定をするのがおすすめです。この方法であれば、自分自身の状況や書類の内容をすべて把握できることから、被害者自身に有利な等級認定、ひいては妥当な慰謝料を受け取れる可能性が高いのです。被害者請求のための書類を集めるのは、かなり煩雑です。

被害者請求において必要な書類を下記です。

  • 後遺障害診断書
  • 治療期間の診断書
  • レントゲンやCTなどの画像検査、その他各種検査結果
  • 診療報酬明細書
  • 通院交通費明細書
  • 自賠責保険請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 休業損害証明書
  • 印鑑証明書

これらの書類は、単純に種類が多いだけではなく発行元も医療機関や加害者側の任意保険会社、また自動車安全運転センターなど多岐にわたり、個人だけで集めるのはかなり難しいのです。

そこで、被害者請求の手続きを弁護士に依頼するのも1つの方法です。弁護士を窓口として手続きを行えば、書類の整備も被害者の手を極力煩わせずに済みます。さらに、加害者側の任意保険会社との交渉にも随時応じてくれるため、被害者が早期の症状固定の打診に折れてしまうこともないでしょう。

交通事故の怪我による症状固定からの流れに関して、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。