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交通事故で打撲の慰謝料相場は?!高額なケースや後遺障害時の金額感を徹底解説!

  • 2019/4/18
  • 2019/09/26

交通事故においては、車体や道路などに体を強く打ち付け、打撲を負うケースも少なからずあります。打撲により医療機関に入通院した場合、また後遺障害が残った場合には、加害者側に慰謝料を請求することができるのです。

今回は、交通事故で打撲を負った際の慰謝料について述べていきます。

打撲したら必ず確認すべき!?慰謝料額が大幅増加する後遺障害とは

後遺障害等級は、症状固定となることで初めて審査の対象となります。打撲は通常、数ヵ月で回復するものですが、重傷である場合には症状固定の状態となり、後遺障害が残ることもあります。

打撲による後遺障害にはどのようなものがあるのでしょうか。

腱や靱帯の損傷

打撲によって骨と骨格筋をつなぐ腱、また骨同士をつなぐ靱帯を損傷すると、関節の可動域に影響が出て動かしにくくなることがあります。そして、腱や靱帯の損傷は完全に回復させるのが難しく、後遺障害として痛みや可動域制限などが残ることがあります。

神経系統の損傷

打撲による衝撃は筋肉の損傷、ひいては神経系統への影響を及ぼす可能性があります。神経系統が損傷するとしびれや麻痺といった症状を引き起こすことがあり、完治が難しい状態になることも少なくありません。その結果、後遺障害として残る可能性があります。

交通事故による打撲の症状と治療費の目安

前述した、交通事故による後遺障害の原因となる打撲は、どのような症状なのでしょうか。交通事故による打撲の症状と治療費の目安について詳しく紹介します。

交通事故による打撲の主な症状

多くの場合、打撲により内出血が発生します。打撲による内出血についてより詳しく説明すると、衝撃のせいで皮膚の内側にある毛細血管が切れるためです。交通事故でぶつけた部分の皮膚が変色している場合は、内出血を疑いましょう。また、打撲は腫れや発熱を伴うことが多いです。軽い腫れであれば、損傷の治癒のために打撲部分への血流が増加していることや、内部で炎症がおきていることが原因として考えられます。

しかし、腫れが大きい場合は骨折の可能性があるため注意が必要です。また、小さな腫れだからと安心していても、細菌感染が原因のケースもあります。そのため、打撲の腫れがどれだけ小さくてもけっして放置してはいけません。打撲で内出血や腫れが生じているなら、交通事故から時間を置かずに整形外科を受診することをおすすめします。

打撲の中でも、特に注意が必要なのが「頭の打撲」です。見た目には軽傷でも、実は内部の脳神経がダメージを受けていたというケースはめずらしくありません。頭を打撲して、「吐き気」や「手足のしびれ」、「倦怠感」などの症状が出た場合はすぐに病院の神経内科や脳神経外科にかかるようにしましょう。

交通事故による打撲の治療費の相場

交通事故後の打撲治療のために健康保険や労災保険を使って整形外科にかかる場合、3割負担なら初診料として1200円程度がかかります。再診なら600円程度が一般的です。

また、交通事故による打撲の場合、警察や保険会社に提出するために、傷病名の他、治療期間などが記載されている「診断書」を病院から出してもらうケースがあります。この診断書を発行してもらうためには、別途5000円程度が必要です。さらに、診療費のほかにも、鍼灸治療やリハビリテーションを行う場合はその都度、医院ごとに既定される料金がかかります。そのため、どういった内容の治療を受けるかによってもかかる費用は異なるといえるでしょう。

打撲の場合の入通院慰謝料と計算基準

打撲とは、体に強い衝撃が加わったときに筋肉や血管などが損傷する怪我の総称です。症状としては痛みや腫れが現れるのが一般的で、また血管が損傷することから内出血を起こし、皮膚に変色が見られる場合もあります。症状が続く期間は程度によって異なりますが、数週間~数ヵ月に及ぶことも考えられるでしょう。さらに目や頭などに打撲を負うと、重傷の場合、視力や脳機能などに支障をきたす可能性も高いです。

打撲における入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、被害者が加害者に請求できる損害賠償金の一部であり、被害者が医療機関に入院もしくは通院して治療を受けた日数・期間をもとに金額が計算されます。

入通院慰謝料は実際にかかった治療費の賠償とは別に、入通院にかかった精神的苦痛に対して支払われる賠償金です。交通事故における損害賠償金は、下記にあげる3つの基準で計算されますが、金額が高額な順は以下の通りです。

自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準

では、詳しく解説します。

自賠責保険基準

自賠責保険基準とは、車やバイクの運転者が強制加入する自賠責保険において、最低限の賠償金を負担する際に適用される基準で、損害保険料率算出機構が規定しているものです。

この基準における入通院慰謝料の計算では、まず1日あたりの慰謝料を4,200円とします。これに治療日数をかけた数値が、入通院慰謝料の金額です。ちなみに治療日数は、入院日数と通院日数を合計した数値(実通院日数)×2、もしくは入院日数と通院期間の合計(治療期間)のいずれか少ない数値を適用します。

任意保険基準

任意保険基準とは、任意で加入する保険会社が設定している基準であり、賠償金の負担を任意保険会社が行う際にこの基準を用いて被害者に賠償金額が提示されます。過去には、各社統一支払基準が設けられていましたが、平成11年にはこの基準が撤廃されています。その後、各社独自の基準が設定され、それぞれの基準は公表されていないのが現状です。

弁護士基準

弁護士基準とは、被害者の代理人として弁護士を立てた際に請求する賠償金額の基準とするものです。日弁連が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(赤い本)、「交通事故損害額算定基準」(青本)に記載される過去の交通事故判例をもとにした基準により、賠償金額の算出が行われます。弁護士基準による慰謝料の金額は、3基準の中で最も高額です。

どのくらいそれぞれ金額が異なるかについては、以下の表を参考にしてください。

後遺障害を負った場合の3基準の慰謝料額の差とは

後遺障害等級 自賠責保険 任意保険 弁護士会
要介護の第1級 1,600
要介護の第2級 1,163
第1級 1,100 1,850 2,800
第2級 958 1,450 2,370
第3級 829 1,150 1,990
第4級 712 850 1,670
第5級 599 750 1,400
第6級 498 650 1,180
第7級 409 550 1,000
第8級 324 450 830
第9級 245 350 690
第10級 187 250 550
第11級 135 200 420
第12級 93 150 290
第13級 57 65 180
第14級 32 45 110

※任意保険基準の金額は目安です
※各後遺障害等級に関する概要は上記表の該当等級をクリックしてください

症状が完治・症状固定するまで通院するメリット

交通事故における打撲などの怪我は、状況によって完治する期間は異なります。さらに、重傷の打撲で神経まで損傷した場合、さらに打撲で合併症を発症した場合などには、症状が回復も悪化もしない症状固定の状態になるケースも考えられます。そして症状固定になるまでの期間も打撲の状態によりさまざまなのです。

症状完治、固定までしっかり通院することが大切

交通事故で打撲を負った場合には、きちんと症状が完治、また固定するまで医療機関に通院することが大切です。なぜなら、コンスタントに通院することが後々の慰謝料請求に大きく影響してくるためです。
具体的に、きちんと通院することのメリットは以下のようなものです。

慰謝料の算出の際に有利になる

入通院慰謝料の算出には、基本的に入通院日数や治療期間が用いられます。そして、入通院日数や治療期間が長くなれば各基準で算出される入通院慰謝料は高額になるため、じっくり期間をかけて治療を受けた方が被害者に有利となるのです。

後遺障害等級認定を受けられる可能性が高まる

また、症状固定になった後には後遺障害慰謝料の請求が可能になります。後遺障害慰謝料を請求するためには、症状固定後の後遺障害の程度や部位によって割り振られる等級認定を受けることが必要です。ただし、後遺障害等級認定を受けるためには、その症状と交通事故の因果関係が認められなければなりません。そのため、受診時から現在までの症状や経過を、カルテに明確に記載することなどが認定のポイントです。

加害者側の任意保険会社による一方的な通告に注意

加害者側の任意保険会社は、被害者に対して症状完治、固定する前に治療費の賠償打ち切りを一方的に通告することがあります。これは、任意保険会社が早々に賠償期間を終了させたいという意図からくるものです。これに応じてしまうと、完治までに必要な入通院慰謝料を得られないほか、症状固定の状態にもならないため後遺障害慰謝料の請求もできません。

打撲の後遺障害慰謝料

交通事故による打撲で上記のような後遺障害が残った場合、その程度によっていくつかの等級に認定されることが期待されます。では、打撲で考えられる後遺障害と等級について見ていきましょう。

上肢、下肢の3大関節のうち1関節の可動域が制限される
可動域に制限が出る場合、その程度が2分の1以下である状態では後遺障害等級10級(上肢の場合は10号、下肢の場合は11号)が適用される可能性が高いです。また4分の3以下であれば後遺障害等級12級(上肢の場合は6号、下肢の場合は7号)に該当すると考えられます。
痛みやしびれなどがある
痛みやしびれなどは神経症状と見ることができ、そのうちCTやMRIといった画像検査などで他覚的所見が認められるものは後遺障害等級12級13号に当てはまるかもしれません。また他覚的所見がなくても、交通事故による打撲が原因の痛みやしびれであると医学的に説明ができれば、後遺障害等級14級9号が適用される可能性があります。
等級、算出基準ごとの後遺障害慰謝料の相場
後遺障害慰謝料についても、前述の入通院慰謝料と同様に自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準の3つから状況に応じて算出され、その金額は等級によって異なっています。

※各計算基準の後遺障害慰謝料相場を知りたい方はコチラをご覧ください

交通事故の打撲による裁判事例

交通事故による打撲について、過去の判例を紹介します。平成16年に大阪地方裁判所で下された判決です。被害者は61歳の男性で、交通事故により右肩を打撲するなどのけがをしました。結論からいうと、加害者が支払うように命じられたのは総額にして2608万9708円という賠償金です。その内訳は、慰謝料として470万円、休業損害として254万円、そして、逸失利益として1814万6213円となっています。このように算出された背景には、男性が「画家」だったことと、右腕に重い後遺症が残ってしまったという事情があります。

休業損害や逸失利益の算定の基礎となる基礎収入は、この被害者の場合約510万円程度です。基礎収入は、当該判例においては前年度の売り上げの約60%に当たる額とされました。休業損害は、事故にあった日から症状が固定する日まで男性が働けなかった期間の損失分として計算されます。また、逸失利益は、後遺症により働けなくなる見込み期間と、実際に後遺症によって失われた労働能力とをかけ合わせて算出されました。

打撲による後遺障害が残る場合は、基礎収入の算定が賠償額に大きく影響します。そういった計算は複雑を極めるため、交通事故による打撲の慰謝料を請求するなら専門家である弁護士に相談、依頼するのが良いでしょう。

慰謝料を増額させるには弁護士への依頼が必要不可欠

交通事故によって打撲を負った場合、治療にかかる入通院慰謝料の請求が可能です。さらに後遺障害が残ると、等級認定されることで後遺障害慰謝料を受けることもできるのです。そして、これらの慰謝料の計算には3つの基準が用いられますが、その中でも弁護士基準はより被害者に手厚いものとなっています。

弁護士基準による慰謝料請求は、弁護士を立てた場合でないと難しくなるため、交通事故における慰謝料についてはぜひ弁護士に相談してください。