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【どう対応すべき?】過失割合が10対0になる交通事故の事例4選

  • 2017/11/15
  • 2021/05/28

交通事故問題で示談交渉を進める中で、過失割合というものが争点の1つになります。

過失割合は相手方の保険会社と相談して決めていきますが、納得いかない結果になることも少なくありません。

過失割合が10対0の場合だと、損害賠償金を満額受け取れるという被害者にとって大きなメリットがあります。しかしその一方で、相手方の保険会社は10対0であることを認めないケースがあることも事実です。

そもそも被害者は過失割合について知らない、どんな場合に過失割合が10対0になるのか知らないという方は多いです。

こちらでは、そんな方のために、過失割合とはそもそも何か?また、過失割合が10対0になる事故の事例について解説していきたいと思います。

どんなケースが過失割合10対0になるのかを知って、自身が損をしない対応ができるよう、参考にしてみてください!

過失割合ってそもそも何?

過失割合とは、ごく簡単に言うと、お互いの不注意(過失)の度合いを示したものです。よく「7:3」や「8:2」といった割合で表現されます。

多くの交通事故の場合、加害者、被害者のどちらか一方だけが悪いということは少なく、いずれかに何らかの落ち度があることがほとんどです。

例えば、歩行者が赤信号を無視して道路に飛び込み、青信号で交差点に侵入した自動車にぶつかったようなケースです。この場合、信号を無視した被害者に明らかな不注意があったにもかかわらず、運転手が損害のすべての責任を負うとしたら、不公平になってしまいます。

そのため、加害者は被害者側の不注意がある部分に関しては、その責任を負わなくてよいとされています。

加害者と被害者にそれぞれどのくらいの責任があるかを割合で示し、その分を損害賠償金額から減額します。

これを過失相殺といいますが、過失割合を考える上で重要なポイントになります。

少し複雑なので、以下で具体的な例を用いて説明しておきます。

損害賠償金が100万円で、過失割合が8対2の場合
自分の過失割合が20%だった場合、100万×80%=80万が相手方に請求できる。
損害賠償金が100万円で、過失割合が10対0の場合
自分の過失割合が0%だった場合、100%の損害賠償請求が可能。相手方に満額の100万円を請求できる。

以下のような計算式で、最終的に受け取れる損害賠償金を計算します。

  • 全損害賠償金額×(100-自分の過失割合)%=最終的に受け取ることができる金額

このように過失相殺は過失割合の数字を基にして、損害賠償金を計算します。

上の説明を見て分かるとおり、過失割合がいくらになるかによって、受け取れる損害賠償金が大きく変わってきます。

そのため、過失割合が適切に判断されることはとても重要なのです!

過失割合が10対0の場合ってどんなとき?

過失割合が10対0の場合とは、被害者側に全く不注意がなかった場合です。そんなケースあるの?と思われがちですが、いくつか例はあります。

こちらでは、事故のケースごとに、どんな場合が過失割合10対0になるのかについて見ていきたいと思います!

自動車同士

  • 信号待ちで停車中に、後ろから追突された
  • 相手の信号無視で追突された
  • センターラインを越えて正面衝突した
  • 駐車場で駐車している車に衝突した
ポイント
  • 相手の信号無視で追突された場合、赤信号を無視した自動車は全責任を負う。
  • センターラインを越えて正面衝突した場合、原則としてセンターラインを超えた側の自動車が全責任を負う。

自動車と歩行者

  • 歩行者が青信号で横断歩道を渡っているときに、自動車が赤信号で交差点に進入した
ポイント
  • ポイントは横断歩道上であるかどうか。
  • 青信号で横断歩道を歩行中の歩行者は、原則どのような状況であっても過失はなし。
  • 信号のない横断歩道の場合、基本的には10対0。その理由は横断歩道は歩行者優先であるため。

自動車と自転車

  • 青信号で交差点に進入した自転車に赤信号で進入した自動車が衝突した
    ポイント
    • 信号機のある交差点では、信号機の色で過失割合が決まる

    自転車と歩行者

    • 歩行者が青信号で横断しているときに、自転車が赤信号で交差点に進入してきた
    • 歩行者が青信号で横断を開始したが、途中で赤信号に変わり、その時点で赤信号で進入してきた自転車に衝突した
    • 歩行者が青信号で横断歩道を渡っているときに、右左折をしようと横断歩道に進入してきた自転車と衝突した
    ポイント
    • 青信号で横断を開始した横断歩道上の歩行者は、絶対的に保護される。
    • 歩行者が赤信号で渡った場合、10対0とはならない。どちらの過失も認めることになる。

    以上が、過失割合が10対0になる場合の事例です。こちらで紹介したのはあくまでも基本的な考え方ですので、事故の状況によっては10対0にならない場合もあります。

    自身のケースだとどうなるのか、詳しく知りたい方は弁護士に相談することをおすすめします。

    10対0だと自分で交渉が必要!?


    最終的には示談交渉で、過失割合を決めますが、ここで注意しておくべきことが1つあります。

    それは、過失割合が10対0のケースだと、自分自身が直接、相手方の保険会社と示談交渉しなくてはいけないということです。

    一体なぜ、自分自身で交渉をしなくてはならないのでしょうか?以下で解説しましょう。

    仮にあなたが自動車保険に加入していたとします。ほとんどの自動車保険には、示談代行のサービスがついています。

    なので、万が一交通事故を起こしたとしても、あなたの代わりにあなたが加入している保険会社が代わりに示談を行ってくれます。

    しかし、自分に過失がない事故の場合、あなたの代わりにあなたが加入している保険会社が相手方の保険会社と示談交渉を行うことは法律によって禁止されています。

    基本的に自動車保険は、自分の過失によって相手に与えた損害を償うためにあります。過失割合が10対0の場合、そもそも相手に損害を与えていないため(自分の過失がゼロ)、相手への賠償が発生しません。

    このようなケースだと保険会社はあなたの代わりに示談交渉はできないのです。

    そのため、自分自身で相手方の保険会社と示談交渉を行い、過失割合が10対0であることを証明しなくてはいけないのです!

    弁護士費用特約を使えば、実質0円で依頼ができる!?


    最初にご説明したとおり、過失割合10対0であれば、損害賠償金を満額受け取ることができます。

    とはいえ、自分自身で示談交渉を行い、過失割合が10対0であることを証明することはたやすくありません。

    なぜなら、多くの被害者は過失割合や損害賠償金がどのようにして決められるかという専門的な知識を持っていないからです。

    このような状態で示談交渉を進めると、相手方の保険会社からの過失割合の修正や、不当な損害賠償金の提示に対して言われるがままになってしまいます。

    また、相手方の保険会社は過失割合が10対0だと、損害賠償金を満額支払わないといけないため、認めてくれるケースは少ないともいわれています。

    過失割合が適切に決められ、損をしないためにも専門家の力が欠かせません。

    ここで役に立つのが弁護士費用特約という制度です。

    この制度を活用すれば、被害者に代わって弁護士が示談交渉を行ってくれます。過失割合の決定はもちろんのこと、損害賠償金の増額も大いに期待できます。

    また、実質自分が負担する費用はなしで弁護士に依頼することが可能ですので、ぜひとも活用することをおすすめします。

    過失割合10対0の場合は、弁護士に依頼しよう!

    以上、交通事故で過失割合が10対0になるケースについてお伝えしてきました。

    過失割合が10対0であれば、損害賠償金を満額受け取ることができます。

    過失割合の決定は、損害賠償金が増額するかどうかを左右する重要なポイントの1つです。安易に保険会社の言い分を受け入れると、結果的に損をしてしまう可能性があります。

    自身が納得いく結果を得るためにも、1人で太刀打ちしようとせず、弁護士の力を借りることをおすすめします。