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【後遺障害8級】提示慰謝料に納得できない!高額慰謝料のための重要な4項目

  • 2019/3/28
  • 2019/09/05
協議する様子

交通事故に遭ってしまい、後遺障害が残ると、残りの人生を障害と共に歩むことになります。

後遺障害8級が認められる事例は以下の通りです。

  • 片目が失明し、もう片方が0.02以下の視力となった
  • 脊柱に運動障害が残った
  • 親指を含めた三本の指が無くなった

上記のような場合、後遺障害8級が認められます。この記事では後遺障害8級の症状・認定条件・損害賠償の請求額について紹介します。

後遺障害8級に当てはまる症状と賠償金額事例

後遺障害等級とは

交通事故などで怪我を負い、一定期間病院で治療しても回復しない症状を後遺症といいます。後遺障害とは、後遺症が将来にわたって「回復の見込みがない」と医師によって判断されたものです。

1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級

※該当等級をクリックすると各ページへ移動します。

この「回復の見込みがない」と判断されることを「症状固定」といい、後遺障害の認定を行うための大切な基準となります。症状固定が医師により認定された後に、後遺障害の認定を申請することが可能になります。

後遺認定障害の等級は、最も重い1級から14級まで存在します。1、2級には要介護か否かで分かれていますので、全部で16段階あるといえます。
具体的な後遺障害8級の症状とは、以下のとおりです。

部位 後遺障害
眼の障害 1号. 1眼が失明し又は1眼の視力が0.02以下になったもの
脊柱及びその他の体幹骨の障害 2号. 脊柱に運動障害を残すもの
上肢の障害 8号. 1上肢に偽関節を残すもの
6号. 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
下肢の障害 9号. 1下肢に偽関節を残すもの
7号. 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
5号. 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
手指の障害 3号. 1手のおや指を含み2の手指を失ったもの、又はおや指以外の3の手指を失ったもの
4号. 1手のおや指を含み3の手指の用を廃したもの又は親指以外の4の手指の用を廃したもの
足指の障害 10号. 1足の足指の全部を失ったもの

【詳しく解説】

1号 事故により片目が失明するか、矯正しても視力が0.02以下まで落ちてしまった場合です。もう片方の目は正常に見えていることが条件になります
2号 首から背骨にかけて、可動域が半分以下になること。もしくは、異常稼働が認められるということです
3号 片手の親指を含む2本の指を失うか、親指を含まない3本の指を失うことです
4号 片手の親指を含む3本の指を失うか、親指以外の指を失うことです
5号 片方の足を5cm以上短くしてしまった場合です
6号 肩・肘・手首のうち、どれかが曲がらなくなり、関節として使えなくなった場合です
7号 股関節・膝・足首のうち、どれかが曲がらなくなり、関節として使えなくなった場合です
8号 骨折した骨が正常につかず、関節のように動いてしまうことを偽関節といいます。それが腕にできてしまった場合です
9号 足に偽関節ができてしまった場合です
10号 どちらかの足の指を全て失ってしまった場合です

※各後遺障害等級に関する解説はコチラから

後遺障害8級の慰謝料相場・逸失利益と3つの慰謝料基準

慰謝料の基準は3つあり、それに加えて逸失利益・休業補償・治療費・生活費・家の改造費などの
損害賠償が加算されます。

被害者が請求できる慰謝料は次の三つです。

  • 入通院慰謝料
  • 入通院における苦痛に対して支払われる慰謝料です

  • 後遺症慰謝料
  • 後遺症の苦痛に対して支払われる慰謝料です

  • 近親者慰謝料
  • 家計の主たる存在が被害者だった場合、その家族に対して支払われる慰謝料です

弁護士基準

被害者側に弁護士がついた場合、その交渉の際に用いる基準となります。8級では830万円が基準となり、併合認定された場合は、更に高額になることもあります。

自賠責基準

自賠責基準は、最低限の補償を目的としています。8級の場合324万円となります。

任意保険基準

保険会社が自賠責基準から上乗せした慰謝料の基準です。会社によって異なりますが、上乗せ分は少額と考えていいでしょう。8級の場合、おおよそ400万円程度が基準です。

逸失利益の算定方法

慰謝料とは別に、本来得るはずだった収入に対して、加害者側に損害賠償を請求できます。

8級では労働能力の逸失率を45%としていますので、それに事故前の収入と、一括で受け取る際の利息を計算するためのライプニッツ係数を掛けた値が逸失利益となります。

例:30歳の女性給与所得者400万後遺障害等級8級に該当した場合の遺失利益
基礎収入:400万円
労働能力喪失率:45%
労働能力喪失機関に対応したライブニッツ係数:15.372
逸失利益算定:400万円×45%15.372=27,669,600
おおよそ2767万円の逸失利益となります。
※金額はあくまで当サイト算定となりますので、実際は多少変動する場合があります。

後遺障害8級の判例

大阪地裁平成29年1月29日判決

後遺障害の部位・程度:高次脳機能障害など(併合8級)
慰謝料:830万円

さいたま地裁平成27年4月7日判決

概要:後遺障害の部位・程度:脊柱の変形・運動障害
慰謝料:830万円

後遺障害8級の認定してもらうための重要な6つの書類

後遺障害の認定申請を行う際、方法は2種類あります。一つは事前認定と呼ばれる方法、もう一つは被害者請求と呼ばれる方法です。以下2種類の概要を記載しています。

事前認定とは

後遺障害8級の認定申請を行う場合、後遺障害診断書を病院側に作成してもらう必要があります。加害者の任意保険会社に対し、作成した後遺障害診断書を送付すれば後述の申請書類は全て任意保険会社が用意するため、手間が省けます。

ただし、書類不備などによって認定が下りないケースも稀に発生するため、注意が必要です。

被害者請求とは

事前認定とは違い、自ら自賠責保険会社に申請するため後遺障害診断書だけでは書類は不十分です。以下必要書類となりますが、全て用意しなければ自賠責保険会社に申請することは出来ません。

書類名 受取及び申請場所 手数料
自賠責保険支払請求書兼支払指図書 任意保険会社から送付
交通事故証明書 ・事故現場を管轄する各都道府県又は最寄りの自動車安全運転センター窓口
・郵便振替による交付申請
・インターネットからの申込
※申請用紙は警察署、交番、自動車安全運転センターにて受取可能
1通540円
・郵便振替の場合+70円
・コンビニの場合+130円
診療報酬明細書及び診断書 ・任意保険会社が管理している場合、コピーにて送付してもらう
※国民健康保険を使用している場合、指定の診断書を使用・作成するよう病院へ依頼
後遺障害診断書 病院側にて作成してもらう
レントゲン、MRI画像

後遺障害申請結果に納得できない場合の対応方法

後遺障害認定は慰謝料金額に大きく左右するため、非常に重要です。後遺障害認定が下りない場合又は本来認められる階級と異なる場合等納得できない結果でないケースもあります。その場合、自賠責保険会社に対し異議申し立てを行い、再度審査を行ってもらいます。

ただし、新しい書類・資料が提出できなければ以前の認定結果のままとなるケースが多い為、診断書等を新たに作成提出が求められます。

後遺障害8級の認定獲得するための重要な2つのポイント

医師とのコミュニケーション

後遺障害認定は、すべて書類で行われます。その書類を作成するのは医師であり、医師の判断によって等級が変化します。より高い等級に認定してもらうためには、医師とのコミュニケーションが欠かせません。

上位に認定されるには、診断書や症例が大きく関係するため、ここでも弁護士を交えるといいでしょう。

重要なのは嘘をつかないことです。後遺障害認定では自覚症状の裏付けができない場合や外傷を画像で確認できない場合は、非該当として承認されません。

医学的な証明が必要

医学的に証明できない症状や、もしくは事故との因果関係がない症状の場合、そして、将来回復する見込みがあるのであれば、後遺障害として認定されません。そのため、適正な検査を受けて、正確な症状申告を行いましょう。

後遺障害8級の慰謝料は弁護士に依頼すれば増額できる!?

事故に遭遇してしまうと、被害者は弱い立場に立たされることもあります。手続きの進め方次第では、本来受け取れるべき後遺障害が少なくなることも考えられます。

例えば、自賠責の慰謝料は8級で324万円です。それが弁護士基準になると830万円です。あくまで基準ですが、弁護士を挟むことで500万円の差が生まれます。

事故に遭ったら、まず弁護士に相談しましょう。