交通事故で弁護士に相談すべき?デメリットと3つのメリットはこれ!
- 2017/7/29
- 2022/01/11
突然の交通事故によって被害者となってしまったら、被害者やそのご家族の不安は計り知れません。「事件解決までの流れって?」「慰謝料や示談金の金額って妥当なの?」など心配事はつきないでしょう。
1人で解決するより、弁護士に依頼したほうがいいとは思うけど、実際はどうなんだろう…?
そんな悩みをお持ちの方へ、ここでは交通事故に遭ったとき弁護士に相談することで得られるデメリットとメリット3つをご紹介します。
Contents
メリットその①~示談金、損害賠償金が増える可能性が高い~
事故発生後、ご自身で示談金に関する交渉をすすめていくと、高い確率で相場より低い金額で見積もられてしまいます。なぜ、低く見積もられてしまうのでしょうか?それは保険会社の基準で示談額が決められてしまうからです。
基準 | 詳細 | 示談額 |
---|---|---|
①裁判所基準・弁護士基準 | 過去の裁判の判例などを元に示談額が決められる | 高 |
②任意保険基準 | 保険会社によって独自で決められている | 中 |
③自賠責保険基準 | 最低額の補償、自賠責保険の支払額に基づき決められる | 低 |
被害者自身で保険会社と交渉した場合、保険会社はほとんどのケースで①自賠責保険基準か②任意保険基準で計算した示談額を提示してきます。
本来であれば、被害者は③の弁護士基準で計算された示談額を請求できます。しかし保険会社は自分の会社の利益を出すために、被害者への支払いを抑えようとします。そのため、示談金が安く見積もられてしまうのです…
ただ、被害者がこの弁護士基準で保険会社と交渉し、保険会社が提示してきた示談金よりも高い金額を請求することはとても難しいといわれています。
保険会社の担当者も常時100件ほどの案件を抱える交渉のプロ。太刀打ちするにはそれ以上の専門知識や経験が必要不可欠です。そのため交通事故問題に強い弁護士に交渉をお願いしたほうが、示談金の額が大幅に増えるというわけです!
知識・経験豊富な弁護士であれば、適正な基準で示談額を計算し、それをもとに保険会社と交渉してくれます。その結果、示談金が増える可能性が非常に高くなるので、被害者にとっては大きな金銭的メリットを得ることができます。
- まとめ
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- 保険会社のほとんどが任意保険基準で計算した示談額を提示してくる。
- 弁護士に依頼することで弁護士基準という高い基準で示談額を計算し、保険会社と交渉してくれる。
- 弁護士の交渉によって、示談金が増える可能性が非常に高くなる。
メリットその②~精神的ストレスが軽くなる~
交通事故の被害者は、突然の出来事に右も左もわからず、大きな不安を抱えることが多いです。大きなケガを負った場合には、これまでの生活とは一変し、治療のために通院したり、会社を休む必要がでてきたり、被害者自身やその家族にも大きなストレスがのしかかります。また生活が大きく変わるのに加えて、保険会社との示談交渉や事故処理の手続きなどやることも山積みです…
特に保険会社との示談交渉は、被害者にとって精神的負担が大きなものになります。先にお伝えしたとおり、保険会社の担当者は交渉のプロ。ただでさえ状況的に不利な被害者が保険会社と対等にやり取りすることは、とても難しく労力も使います。
また、保険会社の担当者からの連絡も多いので、仕事が忙しい人にとってはわずらわしく対応できない時もあるでしょう。
この点弁護士に依頼すれば、保険会社からの連絡はすべて弁護士宛となり、被害者は保険会社とのやり取りから解放されます。それだけでなく保険会社との示談交渉も代わりに行ってくれるので、精神的な負担がとても軽くなります。
メリットその③~障害等級が上がることで損害賠償金が増額する~
交通事故でケガをした場合、完治すればよいですが、場合によっては体に障害が残ってしまうことも…
そもそも後遺障害とは、これ以上治療を続けていても症状が治らず、体の不具合が将来にわたって残る状態のことをいいます。また、これ以上治療を続けても症状が改善することが期待できない状態や時期のことを症状固定といいます。この症状固定となった場合に後遺障害等級認定を申請し、後遺障害があるかないか、またある場合にはその程度を判断することになります。
後遺障害の等級には1級から14級まであり、認定されるかされないかで損害賠償額が大きく変わります。そのため等級認定が適切に受けられるかどうかは非常に重要なポイントになってくるのです!
では、後遺障害等級認定を適切に受けるためにはどうすればいいのでしょうか?
後遺障害等級認定には医師が作成する後遺障害診断書が必要になります。この診断書や画像写真(レントゲン写真など)をもとに自賠責損害調査事務所という機関が書面で審査をし、後遺障害認定の判断をします。書面での審査が基本になるので後遺障害診断書の内容に過不足がないかどうかが、後遺障害認定を左右するといっても過言ではありません。
そのため主治医にどんな内容で診断書を書いてもらうかがキーポイント。
ただ、医師は治療のプロですが、後遺障害診断書作成のプロではないので、必ずしも適切な後遺障害診断書を書いてくれるとは限りません…
交通事故問題に強い弁護士に依頼すれば、効果的な診断書作成の適切なフォローや後遺障害認定の獲得に向けてのアドバイスも聞くことができるため、この点も大きなメリットといえるわけですね。
- まとめ
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- 後遺障害等級認定が適切に認定されるかどうかで受け取れる損害賠償額が大きく変わる。
- 認定のカギを握るのは、医師が作成する後遺障害診断書
- 弁護士に依頼することで、診断書も含め、後遺障害認定獲得に向けてのアドバイスを聞くことができる。
デメリット~費用倒れのおそれ~
弁護士に依頼するためには、当然ですが弁護士費用が必要になります。
あとで記載しますが、弁護士を介すことで示談金、損害賠償金が増えるケースは多く、金銭面で大きなメリットを得ることができます。しかし、案件によっては示談金が増える可能性が低いケースも…
こういった場合、示談金の増額幅よりも弁護士費用が上回ることがあります。これが費用倒れと呼ばれ、受け取る示談金よりも弁護士に支払う金額の方が高くついてしまうというリスクが発生します。
比較的軽い交通事故、例えば物損のみの事故や人身事故でもケガの程度が軽い場合は費用倒れのリスクがあるといわれています。ただ、一概にこのケースが費用倒れになるとは限らないので、弁護士に相談する際は自分のケースに応じて費用倒れにならないように考慮してもらう必要があるでしょう。
ただ、この費用倒れのリスクは弁護士費用特約という制度を使って逃れることができます。詳しくは次に説明しますが、この制度を利用することで、弁護士費用を実質負担しなくてよいので費用倒れ自体を避けることができます!
弁護士費用特約の活用!弁護士費用負担が実質0円の可能性も
弁護士に依頼したいけど費用のイメージがつかない…やはり高額になってしまうのでは?そんな考えをお持ちの方は多いのではないでしょうか?弁護士費用特約という制度を使えば、実質の負担額が0円で弁護士に依頼できる可能性があります。
弁護士費用特約とは、保険会社(被害者側)が弁護士費用を一定限度負担してくれる制度のことです。保険会社により限度額が違う場合もありますが、上限300万を限度額として負担してくれます。一般的に弁護士費用が300万以上になるケースはかなり少ないといわれてますので、この制度を使えば、実質自分が負担するお金は0円にできるというわけです!
この弁護士費用特約を使うには、被害者が自動車保険に加入した際に一緒にこの特約に加入している必要があります。そもそも自分が弁護士費用特約に加入しているかどうかわからない場合は、自分が加入している保険会社に連絡すれば、契約状況など確認できるので、一度確認してみるのもよいでしょう。
また、自分が加入していなくても以下のように、自分の家族が入っていれば使えるケースもあります。
- 保険契約者本人
- 保険契約者の配偶者
- 保険契約者と同居している親族(ご両親やお子さんなどのことで、既婚未婚は問わない)
上のどれかに該当すれば使用できる可能性があります。ただ加入している保険会社によっては例外もあるので、詳しくは保険会社に確認することをおすすめします。
また、保険会社の約款(契約の取り決め)にもよりますが、依頼先の弁護士はほとんどの場合、自分で選択することもできます。被害者に寄り添い、適切なアドバイスをしてくれる弁護士を自分自身で探すことも大切です。
迷ったら、弁護士への相談がおすすめ
交通事故問題を弁護士に依頼することのデメリット、メリットをお伝えしてきました。
示談交渉や後遺障害認定は医学的な知見・専門知識を必要とします。自分自身で解決するよりも、交通事故問題に精通している弁護士に依頼するほうが得られるメリットは非常に大きいです。
唯一のデメリットである、弁護士費用の問題も弁護士費用特約を利用することで解決できるケースが多いので、現状悩んでいる方はまず弁護士に相談することからはじめてみてもよいでしょう。