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交通事故における逸失利益の計算方法と増額するための2つのポイント

  • 2019/4/19
  • 2019/09/05

交通事故の被害者となり、今後の生活や仕事に支障が生じるほどの後遺障害が残った場合、「逸失利益」がどれくらいなのか、というのは後遺障害慰謝料と並び大きなポイントとなります。

逸失利益には、所定の計算方法があります。逸失利益の算出にあたっては、認定された後遺症の等級が大きな影響を及ぼします。

今回は逸失利益の計算方法や、より適切な逸失利益を得るための方法について解説しています。逸失利益は慰謝料よりも増額を見込める可能性があるため、まずはその仕組みを確認しておくことが大切です。

交通事故における二つの逸失利益

    逸失利益には大きく分けて二つの種類があります。

  • 被害者に後遺障害が残ったケース
  • 被害者が死亡してしまったケース

後遺傷害事故における逸失利益

事故によって、心身の状態が損なわれて仕事に支障が出る場合、後遺障害事故における逸失利益を請求することができます。

この場合、逸失利益をどう捉えるかは考え方によって異なります。まずは差額説(実際に事故前と比べて、減った収入額)をもとに、逸失利益を考える場合。そして、労働能力喪失説(後遺症が原因で失われた労働力)をもとに、逸失利益を算出する場合の二つに分けられます。

死亡事故における逸失利益

被害者が交通事故によって亡くなってしまった場合、「被害者がこのまま働き続けることで得られたはずの利益」を所定の計算方法で算出します。上記二つの逸失利益を計算する際には、被害者の収入額はもとより、被害者が被雇用者であるのか事業者であるのかによっても金額は大きく変わってきます。また、学生の場合も逸失利益の請求権が生じます。

死亡してしまった場合、下記のような計算で逸失利益を算出します
逸失利益=基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

死亡事故が起きた場合、労働能力喪失率は当然ながら100/100となります。これに加え、生活費控除率が関わってきます。これは、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」を参考に決められるもので、被害者が扶養者として家族を支えていると判断された場合は生活費控除率が下がります。

逸失利益の計算方法

後遺障害が残ってしまった際は、下記のように逸失利益を算出します
逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数(またはホフマン係数)

ライプニッツ係数とは単利計算を行う際に、ホフマン係数を用いるのは、複利計算で逸失利益を算出する場合です。
労働能力喪失率とは、後遺障害の影響で仕事が困難、もしくは不可能になってしまった状態を数値化するものだと考えると分かりやすいでしょう。ここでは、後遺障害の等級も関わってきます。例えば、後遺障害の等級が第1級もしくは第2級である場合、労働能力喪失率は100/100です。この率は「労働能力喪失率表」に準拠して計算するのが一般的です。
※労働能力喪失率表については下記をご覧ください

基礎収入の算定

基礎収入とは、基本的に「事故が起きる前の被害者の収入」を指します。また、被害者が幼いなど実質的な収入がない場合は、賃金センサスと呼ばれる平均賃金データを用います。(賃金センサスは厚生労働省が実施する調査で集計され、性別や年齢のほか学歴をもとに平均的な収入額を提示したものです。)

基礎収入は、被害者の雇用形態によっても異なります。例えば、正社員(被雇用者)である場合は、交通事故が起こる前の年度の給与をもとに計算を行います。会社経営などを行なっていた被害者の場合、同じく事故の前年度に行った所得申告の際の額が基準になります。以下4つの例を元に解説します。

学生・生徒・幼児の場合

学生や幼児の場合、男女関係なく算出した平均賃金を基礎収入として算出するケースが一般的です。
この場合、男女別全年齢平均の賃金額を基礎収入とします。

専業主婦の場合

専業主婦は給料を貰っているわけではありません。しかし、火事従事者の場合でも男女関係なく賃金センサス上の女性労働者平均賃金を基礎収入として考えます。

給与所得者の場合

原則として交通事故に遭う前年度の給与年額(ボーナスは含みます)を基準として考えます。ただし、実際の収入が賃金センサスに記載されている収入を下回っている場合、蓋然性を証明出来れば賃金センサスの基礎収入として認めてもらう事が出来ます。

事業所得者の場合

自営業者の場合、交通事故に遭う前年度の申告所得をベースに考えます。仮に申告額と実収入額が異なる場合、実収入額の証明が出来れば実収入額を基礎収入として考える事も可能です。

労働能力喪失期間の設定

逸失利益の計算にあたり、重要となるのが「利益が喪失されると考えられる期間」です。これを「労働能力喪失期間」と呼びます。この期間に関してはある程度決まっており、症状固定日から起算し、67歳を迎えるまでを労働能力喪失期間として計算します。20歳のときに症状が固定され、後遺障害の等級が明らかになった場合は、47年間が労働能力喪失期間になります。

労働能力喪失率は後遺障害別等級表に記載されている数値を参考とします。
■労働能力喪失率表

後遺障害等級労働能力喪失率後遺障害等級労働能力喪失率
第1級100/100第8級45/100
第2級100/100第9級35/100
第3級100/100第10級27/100
第4級92/100第11級20/100
第5級79/100第12級14/100
第6級67/100第13級9/100
第7級56/100第14級5/100

※各後遺障害等級の詳細は該当等級をクリックしてください。
例えば、後遺障害等級13級と判断された場合、労働能力喪失率は9%と認定されます。

3つのパターンによる逸失利益例(後遺障害が残った場合)

43歳年収500万のサラリーマン(給与所得者)

概要二輪自動車を走行中交通事故の被害に遭い、後遺障害等級10号が認定された
計算500万(基礎収入)×27%(労働能力喪失率)×13.7986(67歳までの24年に対するライプニッツ係数)=1862万8110円

30歳の専業主婦

概要歩行中交通事故に遭い後遺障害等級14級9号が認定された
計算353万9300円(基礎収入(賃金センサス平成25年女性全年齢))×5%(労働能力喪失率)×4.3295(労働能力喪失期間5年に対するライプニッツ係数)=76万6170円

10歳の女子小学生

概要歩行中交通事故に遭い後遺障害等級5級2号が認定された
計算468万9300円(基礎収入(賃金センサス平成25年女性全年齢))×79%(労働能力喪失率)×12.2973(67歳までの57年のライプニッツ係数18.7605-18歳までの8年のライプニッツ係数6.4632)=4555万5926円

身内が交通事故死した際の逸失利益の計算方法

生活費控除率の計算方法

被害者死亡となるケースの場合、存命であれば必要であった生活費の支出を免れる事となります。その場合、被害者本人の死亡後の生活費を控除します。以下3例を記述していますがあくまで目安として参考にしてください。

一家の支柱被養者1人の場合は40%
2人以上の場合は30%
女性(女児・主婦を含む)30~40%
男性単身者(男児を含む)50%

3つのパターンによる逸失利益例(死亡者の場合)

43歳年収500万のサラリーマン(給与所得者)

計算式
500万(基礎収入)×(1-0.5(生活費控除))×13.7986(67歳までの24年に対するライプニッツ係数)=3449万6500円

30歳の専業主婦

計算式
353万9300円(基礎収入(賃金センサス平成25年女性全年齢))×(1-0.3(生活費控除))×16.7113(67歳までの37年に対するライプニッツ係数)=4140万2413円

10歳の女子小学生

計算式
468万9300円(基礎収入(賃金センサス平成25年男女全年齢))×(1-0.3(生活費控除))×12.2973(67歳までの57年のライプニッツ係数18.7605-18歳までの8年のライプニッツ係数6.4632)=4036万6010円

交通事故の遺失利益を増額させる方法

被害者や、その家族、あるいは遺族となってしまった方たちにとって、逸失利益は大切な人を失った悲しみを埋めるものには決してなりえません。しかし、逸失利益として受け取れる金額はその後も続く人生の支えになることは間違いありません。後遺障害によって仕事が困難になったとしても、逸失利益としての支払金で自分や家族を養っていくことも可能になり得るのです。そのため、適切な額を算出してできるだけ増額する方法を考える必要があります。

後遺障害認定を受ける

加害者側の保険会社から症状固定を催促されることも多々あるため、早期に応じてしまうと「実は生活に支障が出るほどの後遺症が残ってしまった」という状況に陥ってしまう可能性も。本来得られたはずの等級認定が下されないこともあるため、注意が必要です。症状固定のタイミングを考慮し、適切な等級で認定してもらうためには、弁護士に依頼して交渉してもらうのが賢明といえます。

交通事故専門の弁護士に依頼する

※弁護士はそれぞれ得意不得意の分野があり、離婚問題に長けている方や企業問題に長けている方など様々です。交通事故専門の弁護士に依頼すれば後遺障害申請手続きの段階からサポートしてくれるため、手続きがスムーズに運びます。

後遺障害遺失利益が認められない事例

最後に、後遺障害による逸失利益が認められない、または制限されるケースについても紹介します。むちうちなど、時間の経過とともに症状が緩和される可能性がある疾患は、労働能力喪失期間が制限されます。(喪失期間は等級によっても異なります)


基本的に、後遺障害による逸失利益をもらうためには「実際の減収」が生じている必要があります。
しかし、実際の減収が生じていない状況であっても、本人の想像を絶する努力や、周りのサポートや温情によって収入が持続しているケースも往々にしてあるのです。

実際に減収は生じていないが被害者の業務遂行が困難、もしくは周りの支えによって生計が成り立っているケースであれば、それが今後も続く保証はありません。そのため、弁護士に依頼して、被害者の状況を立証して、逸失利益を請求する必要があるのです。

利益を増額させるためにも弁護士への相談は必須

後遺障害の等級認定や、減収が生じていない場合においての逸失利益の請求には弁護士の力が不可欠だと考えられます。実際に、弁護士を介すことで実収入がない方でも逸失利益が発生したり、労働能力喪失率や期間が変わったりした事例もあります。

逸失利益の算出を行う際は、まずは弁護士に相談することを強くおすすめします。