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【後遺障害6級】絶対に知っておきたい慰謝料3基準と2つの認定パターン

  • 2019/3/27
  • 2019/09/05

後遺障害6級認定の可能性がある場合は適切な手順を踏み、より認定されやすい方法で手続きを行うことが大切です。
方法を誤ると、実際より低い等級で認定されてしまったり等級自体が認定されなかったりする可能性もあります。後遺障害6級が認められる事例は以下の通りです。

  • コンタクトや眼鏡をかけた状態で視力が0.1以下
  • 咀嚼と言語機能の喪失
  • 大声で話をしてもらわなければ聞き取りが悪い
  • 片手の指を全て失うか4本指を失う又は動かなくなる

このような症状の場合、後遺障害6級が該当します。

症状や認定条件、損害賠償の請求額や請求方法を解説します。交通事故による後遺症はつらいものですが、慰謝料や治療費などを十分に賠償してもらうことができれば、少しでも安心して暮らせるようになります。

後遺障害6級に当てはまる症状と賠償金額事例

後遺障害等級とは

交通事故の被害者となり、その傷害によって回復しない後遺障害が残ったら、後遺障害の認定を受けることが必要です。

1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
8級 9級 10級 11級 12級 13級 14級

※該当等級をクリックすると各ページへ移動します。

後遺障害は等級によって分けられており、後遺障害6級は比較的重い障害が残った人に認定されます。

後遺障害6級の部位ごとの障害状況

部位 後遺障害
眼の障害 1号.両眼の視力が0.1以下になったもの
耳の障害 3号.両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
4号.1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話し声を解することができない程度になったもの
口の障害 2号.咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
脊柱及びその他の体幹骨の障害 5号.脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
上肢の障害 6号.1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
下肢の障害 7号.1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
手指の障害 8号.1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの

【詳しく解説】

1号 両目が矯正視力で0.1以下になった状態です
2号 咀嚼または言語機能に著しい障害が残った状態です。第4級では「咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの」とされていますが、6級ではどちらか一方となっています。程度としては、咀嚼機能ではおかゆや豆腐などの噛む必要があまりないものしか食べられない状態、言語に関しては口唇音、歯舌音、口蓋音、咽頭音のうち2つが発音できない状態です
3号 両耳の聴力が、耳に直接口を当てた大声でなければ理解できない状態です
4号 片方の耳の聴力を完全に失い、もう片方の聴力も40センチ以上離れると普通の話し声が分からない状態です
5号 脊柱(背骨)に著しい変形、または運動障害が残った状態です
6号 片腕の三大関節である肩・肘・手首のうち2つの機能を失った状態です
7号 片足の三大関節である股関節・膝・足首のうち2つの機能を失った状態です
8号 片手の指を全て失うか、親指を含めて4本の指を失った状態です

※各後遺障害等級に関する解説はコチラから

後遺障害6級の要介護の症状

後遺障害6級の認定を受けたら、慰謝料などの損害賠償の請求を行いましょう。

後遺障害慰謝料は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準と3つの基準によって算定されており、それぞれ慰謝料相場が異なります。3つの基準の慰謝料相場を比較して、より有利な請求方法を選んでください。

後遺障害6級の慰謝料相場・逸失利益と3つの慰謝料基準

後遺障害6級では、請求できる慰謝料相場も大変高額となります。しかし、請求の仕方次第では金額が変わる可能性があります。慰謝料には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの基準があります。

<後遺障害等級慰謝料>(単位:万円)

後遺障害等級 自賠責保険 任意保険 弁護士会
要介護の第1級 1,600
要介護の第2級 1,163
第1級 1,100 1,850 2,800
第2級 958 1,450 2,370
第3級 829 1,150 1,990
第4級 712 850 1,670
第5級 599 750 1,400
第6級 498 650 1,180
第7級 409 550 1,000
第8級 324 450 830
第9級 245 350 690
第10級 187 250 550
第11級 135 200 420
第12級 93 150 290
第13級 57 65 180
第14級 32 45 110

※該当等級をクリックすると各ページへ移動します。

弁護士基準

弁護士基準の慰謝料相場は、3つの基準の中でもっとも高くなっています。弁護士基準は過去の判例をもとに算出したものです。後遺障害6級の慰謝料相場は、1,180万円となります。これは弁護士が交渉することで用いることができます。

自賠責基準

自賠責基準の慰謝料相場は、もっとも低いとされています。後遺障害6級の慰謝料金額は498万円です。

    <自賠責保険の慰謝料に含まれるもの>

  • 入通院慰謝料
  • 1日あたり4,200円
    自賠責保険の場合・・・
    ・通院1ヶ月につき10~20万円
    ・入院1ヶ月につき約30~50万円

  • 後遺障害慰謝料
  • 自賠責保険の後遺障害等級第10級では187万円

  • 死亡慰謝料
  • 一家の大黒柱:2,600~3,000万円
    これに準ずる者(配偶者):2,300~2,600万円
    それ以外の者:2,000~2,400万円

任意保険基準

任意保険の慰謝料は、任意保険会社がそれぞれに持っている基準で決められています。そのため相場は明らかではありませんが、一般的には自賠責基準の慰謝料よりもやや高めになるといわれています。

後遺障害6級の判例

名古屋地方裁判所判決、平成16年(ワ)第2574号事件

概要:交差点において、直進していた被害車に対し、対向車線から右折しようとした加害車が被害車の右側に衝突
慰謝料:1,500万円(逸失利益として5541万1096円が認められました)

名古屋地方裁判所民事第3部の判決、平成19年(ワ)第2914号事件

概要:信号がない交差点において、横断歩道を倉庫している自転車に対し加害乗用車が衝突
慰謝料:975万円(逸失利益として5388万0253円認められました)

東京地方裁判所判決、平成23年(ワ)34905号事件

概要:被害者の車に加害者も同乗。自足115km以上の速度で走行させ、不用意にハンドルを切らせたことによりガードロープに衝突
慰謝料:1,380万円(逸失利益として4859万7446円認められました)

後遺障害6級の認定してもらうための重要な6つの書類

後遺障害申請を行う場合、まず医師に診察してもらい後遺障害診断書を作成してもらわなければなりません。その後、以下の2つの手続きのうち、どちらかを選択し自賠責保険会社に対し申請します。

事前認定と被害者請求の違い

事前認定とは

加害者側の任意保険会社に対し申請することで、被害者自ら自賠責保険会社に対し申請を行う必要はありません。

被害者請求とは

後遺障害申請に必要な書類を被害者自ら用意し、直接申請を行う方法です。①の場合、書類不備などによって後遺障害認定が認められないケースなどがありますが、被害者自ら用意すればそうした人為的なミスは無くなります。また、申請を行うにあたって必要な書類は以下の通りです。

被害者請求を行う際に必要となる書類は以下の通りです。

書類名 受取及び申請場所 手数料
自賠責保険支払請求書兼支払指図書 任意保険会社から送付
交通事故証明書 ・事故現場を管轄する各都道府県又は最寄りの自動車安全運転センター窓口
・郵便振替による交付申請
・インターネットからの申込
※申請用紙は警察署、交番、自動車安全運転センターにて受取可能
1通540円
・郵便振替の場合+70円
・コンビニの場合+130円
診療報酬明細書及び診断書 任意保険会社が管理している場合、コピーにて送付してもらう
※国民健康保険を使用している場合、指定の診断書を使用・作成するよう病院へ依頼
後遺障害診断書 病院側にて作成してもらう
レントゲン、MRI画像

後遺障害等級の申請可能な期間と認定が下りない場合の対応方法

自賠責保険の請求権には時効が存在します。被害者の場合、事故の翌日から三年間(後遺障害の場合、症状固定時から三年間)となっています。長期入院や交渉が長引く場合、保険会社に対し時効中断申請書を提出しておく必要があります。

被害者請求の場合 加害者請求の場合
傷病の場合 事故日から3年以内 加害者が被害者・病院などに賠償金を支払ったときから3年以内
後遺障害を負った場合 症状固定日から3年以内
死亡の場合 死亡日から3年以内

後遺障害6級の認定獲得の条件とは

後遺障害6級の認定には、後遺障害6級の各症状のどれかに当てはまっていることを、損害保険料率算出機構に認めてもらうことが必要です。

    <後遺障害認定の要件は4つ>

  • 交通事故が原因であること
  • 後遺症がこれ以上回復する見込みがないこと
  • 医学的に症状を説明できること
  • 労働能力の喪失を伴うこと

要件全てを満たすことができなければ、後遺障害認定は難しいでしょう。

なお、後遺障害6級は、以下2つのパターンで認定されることがあります。

  • 単独の後遺障害で6級になるパターン
  • 目や耳、背骨、関節などの障害がどれか1つあり、それが上記で紹介している6級の条件当てはまっている状態です。

    後述しますが、後遺障害に認定される障害が複数ある場合、片方が6級であっても等級が繰り上げになります。

  • 併合で後遺障害6級になるパターン
  • 後遺障害の認定には併合というルールが適用されることもあります。これは、複数の後遺障害が残った場合に、それらを組み合わせて等級を決めるという方法です。

    原則、13級以上の後遺障害が複数あれば重い方の等級から1等級繰り上げ、8級以上が複数あれば重い方の等級から2等級繰り上げ、5級以上が複数あれば重い方の等級から3等級繰り上げられることになっています。

後遺障害6級の慰謝料は弁護士に依頼すれば増額できる!?

後遺障害6級の慰謝料は、基準によって大きく異なります。より多くの慰謝料を手にできる可能性が高い、弁護士基準を選ぶのが賢明です。

後遺障害6級の認定を受けたら、弁護士に示談交渉を依頼すると良いでしょう。弁護士は専門的な知識を持ち、交渉の経験も豊富なため、保険会社との交渉もスムーズに進むはずです。

慰謝料の他に逸失利益なども請求する必要があるため、大きな金額の交渉となります。そのため、個人で保険会社と交渉するのは、精神的に相当な負担になるでしょう。

後遺障害に関する不安や心配事があったら、まずは弁護士へ相談してみることをおすすめします。