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示談交渉決裂!?交通事故の加害者側の末路

  • 2021/6/29
  • 2022/01/11

自動車事故を起こしたときに重要なのが、被害者への対応です。基本的に加害者は被害者に対し、損害賠償を行うことになります。その際、最初に行われるのが「示談交渉」という賠償金について決める大切な話し合いです。

一方で、場合によってはその交渉がうまく進まず、示談渉決裂となるケースもあります。

今回は、交渉のポイントや決裂時における被害者への影響などをご紹介します。

双方にとっての”示談”とは?

示談とは、交通事故などの損害賠償の金額を決める話し合いです。示談で成立した内容には法的な効力はないものの、双方の約束事として重要な役割を果たします。また法的な効力を持たせるため、公正証書の形で示談書を作成することも可能です。

示談交渉で決まった内容は、交通事故の被害者と加害者が守るべきことです。被害者はそれ以上の金銭の請求ができなくなり、加害者は支払いを怠ることができません。

※ただし、「示談成立後に交通事故との因果関係が認められる後遺障害は別途協議する」という旨を示談書に記載すれば、示談が成立したとしても金銭の請求を行うことは可能です

加害者側は、決められた損害賠償金を支払う必要があるものの、例外を除き、それ以上の金銭を請求される心配はなくなります。示談が成立して支払った時点で、民事上の責任は果たしたことになりますが、被害者側が譲歩しなければいけないというケースは少なくありません。。

交通事故の示談は本当に必要!?メリット・デメリットについて

示談におけるメリット・デメリットは以下の通りです。

選択肢 メリット デメリット
相手側の示談条件に応じる 早期解決が期待できる 納得できない可能性が高い
自分で交渉 交渉が成立すれば条件UP 保険会社相手では難しい
弁護士を立てて示談交渉 高確率で好条件へ変更可能 弁護士費用を負担する

メリット

メリットは、裁判とは異なり、早期解決が期待できる点です。
また、裁判所や交通事故紛争処理センターにて示談するよりも
高額な補償が見込める際は、メリットとして挙げられます。

デメリット

まず、損害賠償請求を加害者に対して行いますが、これは損害および加害者を知った時から3年間で時効により消滅します。そのため、3年間を経過すると損害賠償請求を行うことは不可能です。

また、示談で解決しない場合は裁判となりますが、判決までに2年以上を要する事もあるため、かなりの日数が必要です。

示談をする場合・しない場合の流れ

交通事故を起こした際の示談の一般的な流れは、以下のようになります

  • 事故発生
  • 事故発生
  • 警察による事情聴取、実況見分
  • 被害者の通院、入院
  • 被害者の怪我完治、後遺障害の症状固定
  • [示談をする場合]

  • 示談交渉スタート
  • 任意保険に加入している場合には保険会社が被害者と話し合い
  • 示談成立
  • 損害賠償金の支払い
  • [示談をしない場合]

  • 交通事故紛争処理センターによる解決又は民事裁判による解決

交通事故紛争処理センターによる解決

交通事故紛争処理センターは、当事者の間に弁護士が入り示談交渉を進めてくれる制度の事です。この場合、裁判より早く解決できる点や金銭的な負担が殆どないというのがメリットですが、事実関係の争いが中心であると判断された場合、手続き終了となります。

※交通事故紛争処理センター(ADR)について詳しくはコチラをご覧ください。

民事裁判による解決

上記にも記載している通り、解決するまで長い日数がかかりますが、大抵の場合和解を選択します。

また、被害者の通院や治療中でも保険会社は示談を試みたり、早い段階で治療費の支払いをストップして示談に持ち込もうとしたりすることもあります。支払金額を抑えることが狙いですが、結果として被害者が保険会社や加害者側に悪感情を抱き、その後の交渉に影響を与えるケースもあるのです。

交通事故における損害賠償請求の時効

交通事故の時効は以下の通りです。損害賠償請求は時効までに行わなければなりません。

損害内容 時効の起算日
物損 事故の翌日から数えて3年間
障害 事故の翌日から数えて3年間
死亡 死亡した翌日から数えて3年間
後遺障害 症状固定日の翌日から3年間

※時効が迫ってきたら、「時効中断承認書」で時効を中断させることができます。

算定基準

示談交渉で話し合われる損害賠償には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という三つの算定基準があります。それぞれ異なる基準で損害賠償の金額を計算しており、最終的に提示・請求される金額も異なります。

自賠責基準は必要最低限の補償であり、ドライバーは必ず入らなければいけない自賠責保険の基準です。これは三つの中でもっとも低い基準であり、被害者への損害賠償としては不十分な場合もあります。

任意保険基準はそれぞれの保険会社の基準ですが、これは保険会社によってさまざまです。金額の目安は自賠責よりやや高いものの、それほど高額にはなりません。

弁護士基準はもっとも高額であり、裁判の判例を元にした基準です。示談交渉をする際も、被害者が弁護士に依頼している場合はこの水準で算定してくるケースが多いでしょう。

任意保険に加入していれば、保険会社が支払いをカバーしてくれるため加害者には負担がありません。しかし支払いに限度額があり、それを超えたり任意保険に加入していなかったりすると、加害者が金銭的な負担を負うことになります。

示談しない場合、加害者側が得する2つのケース

被害者が加害者側からの示談の条件に対し納得できないというのはよくある事です。そのため、示談に応じない方向で話を進めますが、長期化含め加害者が得するケースとして以下二つの可能性が考えられます。

慰謝料を支払わずに済む

示談が成立すれば慰謝料を支払う義務が生じますが、示談しない場合”保険会社目線”からすれば慰謝料を支払う必要は無くなります。また、民事訴訟では保険会社は無関係であり、加害者本人が賠償する事となります。

示談の成立に関わらず刑事責任は軽くなる

交通事故加害者は社会的な罰を受けなければなりません。示談交渉の際「示談に応じれば刑事罰が軽くなるのではないか」と考える人も多いでしょう。しかし、交渉したその瞬間「示談をしようと努力した事実」として情状酌量され、

仮に示談が成立しない場合であっても情状酌量の対象となります。

示談交渉を行う場合弁護士に依頼すべき4つの理由

示談交渉を行う場合、被害者当人が行うよりもプロの専門家に任せるべきだと当サイトは考えています。順にそれぞれの理由を説明します。

  • 保険会社との交渉を弁護士が代理で行うため精神的な負担が軽減する
  • 治療中から弁護士が窓口となって対応してくれるため、被害者は治療に専念できる
  • 相手方に有利な過失割合を根本から見直し、後遺障害認定に強い
  • 慰謝料の金額を増額できる

保険会社との交渉を弁護士が代理で行うため精神的な負担が軽減する

被害者本人が保険会社と直接交渉するのは冒頭でも述べた通り非常にストレスを感じます。専門的な知識は勿論、不慣れな交渉をプロ相手に行うのは小学生の野球少年がプロ野球選手に挑むくらい無理があります。

しかし、弁護士に依頼すれば依頼者本人が窓口に立つことは殆どありません。

治療中から弁護士が窓口となって対応してくれるため、被害者は治療に専念できる

治療中から弁護士にサポートしてもらうことで、被害者自身は治療に集中できます。
特に事故直後の段階や症状固定の前に、保険会社とのやり取りに時間を割かれるのは完治が遅れるだけでなく、数日~数ヶ月後経過してから発症するようなケースもなかにはあります。

また、後遺障害認定を受ける可能性も考えれば、早期に弁護士へ依頼することを推奨します。

相手方に有利な過失割合を根本から見直し、後遺障害認定に強い

被害者自身に落ち度が無いにも関わらず、「8:2で被害者が悪い」と保険会社から提示されることも少なくありません。条件に納得するのではなく、弁護士に依頼することで8:2の過失割合を3:7又は0:10で相手方が悪いと覆すことが出来た例もあります。

また、後遺障害のサポートも同時に受けることが可能です。

慰謝料の金額を増額できる

冒頭にも述べた通り、慰謝料基準は自賠責・任意保険・弁護士基準の三つがあります。
弁護士基準が最も慰謝料額としての基準は高く、自賠責又は任意保険と比較すると1000万円以上差があるケースもあります。

示談交渉が決裂した場合の加害者の選択肢

示談交渉が決裂した場合、その後の対応としては調停か裁判をすることになります。そのため、示談できなかったとしても、被害者自身は焦らず裁判の準備を粛々と進めましょう。

裁判では、示談交渉よりも莫大な慰謝料を請求されるケースも多いのが特徴です。また、裁判になれば最終的に和解もしくは判決で、必ず賠償の内容が決まります。

示談に応じるか否かはまず弁護士に相談

被害者と保険会社が直接交渉を行うのは非常にリスキーであるとお判りいただけたかと思います。示談をするかしないかは被害者の判断ですが、安易に応じては後に取り返しのつかない事になるケースも少なくありません。

まずは弁護士へ無料相談から始める事を推奨します。