【必見!】交通事故被害者が過失割合9対1で損しない方法とは?
- 2017/12/27
- 2021/07/16
交通事故では、過失割合がいくらになるかで受け取れる慰謝料が大きく変わってきます。
そのため、過失割合が適切に決められることはとても重要です。
しかし、実際は加害者が100%悪いのに、過失割合が8対2や9対1と判断され、本当にこれって正しいの?と疑ってしまうケースもあります。
自分の過失割合に納得がいかない・・・
こちらではそんな方のために、保険会社から提示される過失割合は正しいのか、また、過失割合が9対1や8対2の事例について解説していきます。
この記事を参考に、適切な過失割合を獲得して、損しない対応を身につけましょう!
Contents
過失割合9対1や8対2は本当に正しい?
保険会社から提示される過失割合は本当に正しいのでしょうか?
これは結論から言うと、必ずしも正しくない、といわれています。
その理由を順を追って説明したいと思います。
まず、そもそも過失割合とは、お互いの不注意(過失)の度合いを示したものです。よく「9:1」や「8:2」といった割合で表現されます。
加害者と被害者にそれぞれどれくらいの責任があるかを割合で示し、その分を損害賠償金額から減額します。
そのため、過失割合がいくらになるかによって、受け取れる損害賠償金が大きく変わってきます。
そして、この過失割合は加害者側の保険会社と被害者で話し合って決められます。
被害者が納得しなければ、無理矢理決められることはありませんが、納得しなければ過失割合についてずっと揉め続けることもあります。
ここで、加害者側の保険会社から提示された過失割合に納得できず、不満を持つ被害者が多くなってしまうといわれています。
通常、加害者側の保険会社は過去の裁判例を基にして作られた、一定の基準と照らし合わせて、過失割合を提示してくることが多いです。
しかし、一定の基準を基にして決められてはいるものの、事故当時の状況が正確に把握され、それがきちんと考慮されて決められているかどうかまで分かりません。
また加害者側の保険会社は、過失割合を減らせば、支払う金額も減らすことができるという考えがあるともいわれています。
本来であれば、過失割合9対1であるところを8対2にすれば、加害者側の保険会社が支払う金額は減り、その一方で被害者が受け取れる損害賠償金は減ってしまうというわけですね。
仮に、過失割合9対1と8対2で計算した場合、以下のように金額が違ってきます。
例:被害者→加害者に請求したい損害賠償金が1000万のとき
過失割合 | 9対1(加害者:9 被害者:1) | 8対2(加害者:8 被害者:2) |
---|---|---|
被害者が請求できる金額 | 1000万×0.9=900万 | 1000万×0.8=800万 |
このように、過失割合が1割違うだけでも100万の差がでてきます!
なので、加害者の保険会社側から提示された過失割合をそのまま鵜呑みにしては、損をしてしまう可能性があるというわけですね。
- まとめ
-
- 加害者の保険会社から提示される過失割合は必ずしも正しいとはいえない
- その理由は、加害者の保険会社側が被害者に支払う損害賠償金を減らしたいという考えがあるため
- 被害者は保険会社からの主張を鵜呑みにすると、損をしてしまう可能性がある
過失割合が9対1・8対2の事例
過失割合が1割でも違えば、被害者が受け取れる損害賠償金に大きな差が出ることは先にお伝えしたとおりです。損害賠償金額が高ければ高いほど、適切な過失割合でないと被害者は損をしてしまいます。
なので、どんな事故のパターンが過失割合9対1や8対2になるのか知っておくことが大切です。
以下ではどのようなケースが過失割合9対1や8対2になるのか、実際の事例を紹介していきたいと思います。
過失割合9対1の場合
- ①信号機のない交差点で、直進車と右折で出てきた車が衝突した場合
-
※交差する道路のうち、直進車が走っている道路が優先道路の場合
- 右折車:9 直進車:1
優先道路を通行する車の方が優先度は高いですが、交差点を通行する車などに注意する義務はあると法律で決められています。そのため、優先道路を通行している車にも10%の過失があります。
- ②信号機のない交差点に直進で進入した、自動車と自転車が衝突した場合
-
※同じ程度の道幅で、自動車側にのみ一時停止の規制がある場合
- 自動車:9 自転車:1
同じ程度の道幅の交差点での直進自転車と直進自動車の事故では、自転車に20%、自動車に80%が基本的な過失割合です。しかし、このケースでは、自動車側に一時停止(止まれ)の規制があるので、自動車の過失割合がさらに大きくなります。
過失割合8対2の場合
- ①信号機のない交差点で、直進車と対向右折車が衝突した場合
-
- 直進車:2 対向右折車:8
車が交差点で右折する場合には、直進や左折をしようとする車を妨害してはいけないと法律で決められています。右折車は直進車が通り過ぎるのを待たなければいけないので、右折車のほうが優先度が低くなります。
その一方で、直進車も交差点内はできる限り安全に走行する義務があると法律で決められています。
- ②道路を走行中のAと、駐車場などの道路外から道路へ左折して進入するBが衝突した場合
-
- 左折車:8 直進車:2
他の自動車の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外に出入するための右左折はしてはいけないと法律で禁止されています。その一方で、直進車も前方をよく見ていなかったことによる過失があるため、8対2になります。
こちらで記載したのはあくまでも一例です。過失割合が9対1や8対2になるケースはさまざまなので、より詳しいことは弁護士など専門家に聞くことをおすすめします。
被害者が過失割合で納得いかないときは?
先程、保険会社から提示された過失割合は必ずしも正しくない、場合によっては損をしてしまう可能性があるとお伝えしました。
自分は悪くないはずのに、なんでこの過失割合なの?これって本当に正しい?
こう感じたときは、どうすればよいのでしょうか?
最も良いのは、弁護士に相談することです。
というのも、事故状況の正確な把握と交通事故問題に関する知識が、過失割合を決める重要なポイントになるためです。
先程少し触れましたが、過失割合は過去の裁判の判例を基にして決められます。
とはいえ、過去の事例と全く同じケースである事故はほとんどありません。
ある程度の基準は決められているものの、事故の状況は毎回違います。そのため、どのような事故であったかを正確に把握することが、適切な過失割合の認定につながります。
そして、正確な過失割合にするためには、その事故の状況を裏付ける証拠が必要になります。
弁護士に依頼すれば、実況見分調書と呼ばれる事故当時の状況が詳しく書かれた資料を取り寄せたり、被害者に有利になる証拠を集めてくれます。
また、交通事故問題に関する知識も豊富なので、正確な過失割合にするためのポイントを抑えつつ、相手方の保険会社に交渉してくれます。
被害者が1人で太刀打ちするよりも、弁護士の力を借りることで適切な過失割合になる可能性が大幅に上がるといえるでしょう。
過失割合で損をしないために、弁護士に相談しよう!
以上、保険会社から提示される過失割合は正しいのか、過失割合が9対1や8対2の事例について解説してきました。
過失割合は、被害者が受け取れる損害賠償金の金額に大きく影響してきます。
しかし、被害者自身が1人で、加害者側の保険会社から提示された過失割合が適切かどうかを判断することは、非常に難しいといえます。
損をせず、被害者自身が納得のいく結果にするためには、まず弁護士に相談することをおすすめします。