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交通事故の慰謝料は老人だと違いはある?相場や判例事例を紹介

  • 2019/9/27
  • 2019/09/27

日本は高齢化社会をむかえていることもあり、老人が被害者となる交通事故は増加しています。全国の交通事故死亡件数の、実に半数以上は65歳以上です。そのため、老人が交通事故被害に遭った場合にはどれくらいの慰謝料額を請求できるのか、また、若年層と中年層と比べて金額に違いがあるのか、といった点をよく知っておく必要があります。今回は老人の交通事故に関して、実際の判例などを参考に慰謝料の相場はどうなっているのかなどを、詳しく説明していきましょう。

交通事故の慰謝料の相場は老人だと低くなるのか

老人が交通事故に遭った場合に気になるのが、慰謝料の相場が若い人と比べて低くなるのか、という点です。まずは慰謝料の種類ごとに、請求額の相場がどうなっているのかについて説明していきます。

入通院慰謝料は原則どおり

入通院慰謝料とは、被害者が交通事故によるけがの治療のために、入通院をしなければならなくなったという精神的苦痛に対して支払われる金銭です。注意しておきたいのが治療費とは違うという点です。あくまでも精神的苦痛に対するものなので、この点で年齢による差はないと考えます。したがって、入通院慰謝料は他の若年層や中年層と同じく、原則通りの基準で計算されるということです。

ただし、老人の場合は、事故前からのさまざまな持病や症状(既往症)が入通院に関係しているのではないかと、相手側から主張されることがあります。こうした主張に基づく減額のことを「素因減額」をといいますが、本来は素因として考えない部分も素因減額として、相手側が主張してくることがあるのが実情です。こうした事態を避けるためには、事故後にあらかじめ専門の弁護士などと相談しておいた方がいいでしょう。

後遺障害慰謝料の相場も違いはない

次に後遺障害慰謝料です。後遺障害慰謝料とは、事故によるケガなどが原因で後遺障害が残り、そのことによって生活上の不便を強いられるなどの精神的苦痛を受けた際に、支払われる金銭です。これも入通院慰謝料と同じく、後遺障害が残ったという生活上の不便は、年代によって変わるものではないと考えます。したがって、後遺障害慰謝料も相場は年齢に関係なく同じです。

ただし、後遺障害が認定される際には、慰謝料に含まれる逸失利益という損害に対する請求が問題となります。逸失利益の計算では、障害がなければ将来的にどれほど収入を得られたか、という点を考慮されるので、事故当時の被害者の収入や年齢が大きく影響します。したがって、被害者が老人の場合は、逸失利益の金額は低額となる可能性が高いといえるでしょう。

死亡慰謝料は老人の立場によって違いがある

3つめは死亡慰謝料です。死亡慰謝料は死亡した老人の家族内での立場によって違いが出てきます。まず、大きな金額の違いとなるのが任意保険基準か、弁護士基準かによる違いです。

表:任意保険基準と弁護士基準による死亡慰謝料の金額相場

被害者の家族内での立場任意保険基準弁護士基準
一家の大黒柱(世帯主)1500万円~2000万円2800万円
母親、配偶者1200万円~1500万円2500万円
その他1300万円~1600万円2000万円~2500万円

家族の形態が多様化しているため、高齢者であっても世帯主として家族の中心的な収入源となっている人もいますし、その立場は様々です。基本的に、慰謝料の相場基準は弁護士が表立って交渉を行う際に使われる弁護士基準の方が大きくなります。ただ、どの基準であっても、死亡慰謝料の相場は年齢に関係はありません。被害者が高齢であることを理由に、相手から死亡慰謝料を基準以下で提示されることがありますが、死亡に伴う精神的苦痛は高齢者でも変わりはないという考えが基本です。もし慰謝料の減額を相手側から主張された場合は、弁護士によく相談することをおすすめします。

交通事故に遭った老人の立場による死亡慰謝料の違い

交通事故で老人が死亡した場合、家族内での立場によって慰謝料の相場が変わります。それに加えて、実はもう1つ、逸失利益を計算するうえで、事故当時に被害者が働いていたかどうか、という点でも、大きくその金額が変わってきます。

無職だった場合

1つめは、死亡した老人が無職だった場合です。いわゆるここでの「無職」とは、求職もしておらず、趣味を楽しんだり、療養中であったりというケースを指します。この状態で死亡事故に遭った場合、弁護士基準では上記の表で言う「その他」に区分されることが多く、慰謝料としては限りなく2000万円に近い相場を想定して交渉することになります。

問題は老人の「無職」の多くは年金受給者であることです。この年金を収入とみるかについては、基礎収入とみなすのが通例となっています。したがって、これから先に受け取るはずだった年金収入を死亡逸失利益として計算し、死亡慰謝料に加えて請求することが可能です。

休職中だった場合

2つめは休職中であった場合です。事故当時に無職であったとしても、求職中であったならば、弁護士基準での請求で慰謝料が増額になるケースがあります。ただ、増額するためには「求職中であったこと」を具体的に立証しなければなりません。例えば、それまで家族を扶養していた、あるいは事故直前までハローワークで積極的に職探しをしていた、といった事実を立証できれば、弁護士基準で2000~2500万円程度の慰謝料を請求できる可能性があります。こういった立証活動は専門的で難易度の高い面も多くあるので、専門の弁護士に依頼しなければならないところです。

なお、休職中の老人の死亡慰謝料についても、休職中に年金を受給していれば、その分を基礎収入とした「死亡逸失利益」を請求することができます。

仕事をしていた場合

3つめは仕事をしていた場合です。このケースでは被害者が家族を扶養していることも多いため、慰謝料の相場は弁護士基準で2500万円~2800万円程度の金額となる可能性が高いです。ただし、休職中と同様に働いていたことを立証することが必須となります。高齢者の場合、若年層と比べて収入の柱としての立場を低くみられる傾向にあるので、交渉では注意が必要です。

死亡逸失利益については、働きながら年金を受給しているという場合、労働分と年金分を別途で請求することができます。また、死亡するまで入院をしていたのであれば、入院していた日を休業損害として新たに請求することも可能です。

老人の死亡事故事故の慰謝料の相場

それでは次に、老人の死亡事故の慰謝料の相場について、自賠責基準と弁護士基準、それぞれでの計算方法と相場について説明していきます。自賠責保険は最低限の補償を目的としているので、実際の交渉では弁護士基準によって決まることがほとんどです。

自賠責基準による老人の死亡事故慰謝料

自賠責基準とは、被害者に対する最低限の補償を目的とする、事実上強制加入の自賠責保険における基準です。もう1つの基準である弁護士基準との大きな違いは、金額相場が低めであること、そして、死亡者本人と遺族に対するそれぞれの慰謝料を別個のものと考えるところにあります。具体的な相場の考え方は次の通りです。

被害者本人の慰謝料350万円
近親者の慰謝料1名550万円
2名650万円
3名以上750万円
被扶養者がいる場合上記+200万円

自賠責基準による死亡事故の慰謝料では、被害者本人分が350万円、近親者が1名の場合は550万円、2名の場合は650万円、3名以上の場合は750万円となっています。近親者の中に被扶養者が含まれていれば、さらに追加で200万円が上乗せされるという仕組みです。

注意すべきは近親者の慰謝料です。これに関しては裁判などで争点となることが多く、死亡した老人とその家族の事情などによって慰謝料額が変動しやすいところです。また、近親者の範囲がどこまでかという点も争点となるので、慰謝料請求の範囲がどこまであるかを弁護士に相談しておく必要があるでしょう。

弁護士基準による老人の死亡事故慰謝料

弁護士基準は保険会社が提示する任意保険基準と違い、過去の判例に基づいて作成された基準です。判例に精通していることや法的な知識が必要となるため、通常は交渉にあたる弁護士によって用いられます。この弁護士基準の特徴は、慰謝料の中で最も高額な金額を請求できる可能性があるということです。被害者の権利を守るために積み重ねられた判例の蓄積に基づくので、他の基準と比べるとケタの1つ違う金額となる場合もあります。具体的に弁護士基準による死亡慰謝料の相場をみておきましょう。

被害者の立場死亡慰謝料の相場
一家の大黒柱2800万円
母親・配偶者2500万円
高齢者・その他2000~2500万円

弁護士基準では被害者の家庭内の役割の違いごとに、被害者本人分と近親者分の総額として金額を出します。例えば、被害者が一家の生活を支えている立場であれば、近親者分の慰謝料も含めて2800万円、母親や配偶者の場合は2500万円、その他は2000~2500万円程度ということになります。いずれにせよ自賠責基準と比べると1000万円以上の金額の差が出ることがわかるでしょう。弁護士を交渉に立てれば、裁判をしなくても弁護士基準での金額交渉となるので、弁護士に依頼するメリットは大きいといえます。

老人の交通事故の相場以上の高額判例

老人の交通事故による慰謝料を巡る裁判で、高額の慰謝料と判断された判例を紹介します。老人が被害者となった交通事故での慰謝料を考えるうえで、重要な先例となる事例です。

老人が交通事故に遭い死亡したケース

事例は平成21年、東京地方裁判所で争われたものです。事故の概要は、83歳の歩行者がバイクと接触してしまい、事故後入院期間14日を経て死亡してしまったという事案でした。被害者は女性、年金受給者で無職、年金受給額は1年間で約100万円程度です。女性は事故当時健康で、息子とその妻子と同居していました。

この事例での裁判所の判断は、本人慰謝料が2400万円です。この女性のケースでは、被害者本人は弁護士基準で「その他・高齢者」の分類に当たるので、相場範囲を考えると結果的にかなり高額の慰謝料を認められたということになるでしょう。その判断理由の1つは、被害者は83歳という高齢であるものの、健康で家事をこなしていたことから「主婦」と同様とみなされた、という背景があります。そのため、主婦としての休業損害や逸失利益の算定、年金収入なども利益に組み込まれたのです。

その一方で、被害者が高齢であるために、生活費控除率は一般女性の30%よりも高く50%とされました。同じ主婦でも高齢者の場合は、「基礎収入が賃金センサスの8割」とされるため、若年や中年の主婦と比較すると、損害賠償が比較的低くなる傾向にあります。

相場以上の慰謝料が認められた主な理由

この事例では、なぜ相場以上の慰謝料が認められたのでしょうか。一般的に、高齢者の死亡事故では、被害者の過失割合は若年や中年よりも高い割合で設定されることが多いです。さらに、高齢者は基本的に年金で生活をしていることから、生活費控除率も高くなる可能性があります。その結果、高齢者の慰謝料や逸失利益の相場は、どうしても低く見積もられるケースが多いのです。

こうした不利益を回避するためには、確かな根拠や証拠によって、抜け目なく被害者側の利益となる用意主張しなくてはなりません。この事例では事故の過失や被害者の生活上の立場などを粘り強く主張したことが功を奏したといえるでしょう。専門家である弁護士と細かく相談することで、相場以上の慰謝料が認められる可能性が高まります。

老人の交通事故の慰謝料は低くみられることも!弁護士に相談を

老人の交通事故では、慰謝料や逸失利益の判断において、年齢や収入が低いなどの理由によって不利益を被ることが少なくありません。しかし、慰謝料は精神的苦痛に対する金銭なので、そもそも年齢に関係なく、適切な金額を請求することができるものです。したがって、被害に遭った場合は正当な主張をしっかり行って相手側と交渉しなければなりません。その際には細かな立証や弁護士基準による金額の主張などを行う必要がありますが、こういった専門的内容については交通事故に強い弁護士に依頼するのが得策です。しっかり相談して、納得のいく慰謝料を請求しましょう。