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交通事故後の痺れの後遺症状と慰謝料獲得までの流れ

  • 2019/4/19
  • 2021/06/23

交通事故によって残る後遺症状の中でも多いのが、むち打ちによる手足の痺れや、腰椎捻挫後の足の痺れだといわれています。ほかに、痺れの症状が出る可能性がある後遺障害もあります。

交通事故後にこれらの疾患が認められる場合は、後遺障害等級による手当や相手側からの慰謝料を受け取ることができる可能性があります。

ここでは交通事故後に起こりうる痺れを伴う後遺症状についての説明と、慰謝料を得るまでの具体的な流れを解説します。また、弁護士に依頼した場合に、後遺障害の等級認定などでどれだけのメリットがあるかについてもあわせて解説します。

部位別の痺れと後遺症状

交通事故後、手足等に痺れが生じた場合はひとまず整形外科にかかりましょう。症状が判明すれば、それに応じて治療法や治療の方向性を相談の上決定していきます。ここからは事故後に現れる部位別の痺れと考えられる後遺症状について解説します。

むちうち

むちうちとは、事故を起こした際に首がムチを振るようにしなり、不自然に強い力が加わったことにより起こる首の捻挫です。
事故直後にはあまり自覚症状がなくても、時間が経過してから痛みを感じるようになるケースもあります。頭部から背中にかけては無数の神経が走っているため、首の痛みに限らず腕や手先が痺れたり、めまいを起こしたりするのもむち打ちの症状の一部です。

むちうちは、症状が重いか軽いかによって治療費が異なります。かなり重い症状である神経根損傷であれば、長引く痛みに対処するために麻酔薬を継続するなどの長期間にわたる投薬治療が必要になるでしょう。その場合の治療費総額はおよそ35~40万円にのぼるとされています。
軽度なむちうちの症状なら、通院回数が短く、お薬やシップなどの処方も少なくすむため、総額1万円程度でおさまる可能性も高いでしょう。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは、首の根本部分にある胸郭出口と呼ばれる場所で、神経や血管が圧迫されることで腕や手の痺れを引き起こす症状を指します。
自覚症状として肩こりに似た痛みを感じるケースがあるため、事故後に肩こりのような刺す痛みを感じた場合は胸郭出口症候群が疑われます。

胸郭出口症候群の症状が重いケースでは手術が必要になることもありますが、基本的には投薬や体操指導などによって治療を行います。処方される薬は何種類かにわたり、代表的なものが「鎮痛薬」です。鎮痛薬の種類にもよりますが、平均1錠15~22円程度の薬を1日3回服用するように指示されます。つまり、投薬治療による場合は1日当たりの治療費が鎮痛剤だけでも45~66円程度になるでしょう。胃薬などを併せて処方される場合はその分の費用も追加されます。胸郭出口症候群の治療期間は人それぞれのため、総額にしていくらかかるかも人それぞれです。

上腕骨骨折

上腕骨骨折とは、二の腕辺りにある骨が折れてしまっている状態を指します。
上腕骨を骨折してしまった場合に神経や血管に損傷が起こると、感覚の異常や運動障害に伴って、手や指の痺れが起こることがあります。また損傷した場所によって、神経麻痺の後遺障害が残ってしまうケースもあります。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、椎間板という部位が本来の箇所から飛び出してしまい、それに伴って痛みや痺れなどの症状が出る状態を指します。
交通事故が原因でなることも多く、症状としては首から腰にかけて痺れや痛みが起こることがあります。

椎間板ヘルニアの治療法は「手術」と「手術以外の方法」に分けることができます。ここでは「手術」の治療費をみていきましょう。手術も、「健康保険」が適用できるかによって費用が大きく変わってきます。

健康保険が適用できる代表的な手術法は4つです。1つ目は「LOVE法」という手術で、約10万円の治療費がかかります。2つ目は「顕微鏡下椎間板切除術」という手術で、治療費はLOVE法と同じく約10万円程度です。3つ目は「内視鏡下椎間板切除術(MED)」と呼ばれる手術で、約20~25万円の費用がかかります。4つ目が「経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術(PED)」という手術で、治療費総額の平均は約10~15万円です。

高額療養費制度が適用される場合は、紹介した費用とは異なる可能性があります。保険適用外の手術は、「経皮的レーザー椎間板減圧術」「経皮的椎間板粉砕・切除術」「ラジオ波腰椎椎間板ヘルニア熱凝縮術」の3種類が主で、治療費は40~60万と高額になりがちです。

脊髄損傷

脊髄損傷とは、交通事故など外的要因をきっかけに脊髄が損傷を受け、運動機能や感覚機能などに障害が生じる状態を指します。
脊髄を損傷すると、重度の場合は半身麻痺になってしまうこともあるのです。反対に軽い症状であれば、手足の痺れが現れますが時間の経過につれて回復するケースもあります。しかし、損傷の度合いによっては事故後に各部位の感覚が鈍くなり、手足の痺れが治まらない方も一定数はいます。

脳挫傷

脳挫傷とは、頭部を強打するなど外的要因によって外傷を受けた際に、頭蓋骨内部で脳が衝撃を受けて損傷が生じた状態を指します。
脳に損傷を受けると、程度によりますが意識を失い、吐き気や嘔吐、手足の麻痺などの身体症状が現れることがあります。脳挫傷も後から発覚するケースが多く、診断を受けるにはCT検査で調べる必要があります。

痺れに悩まされるのはもうたくさん!どこで治療すべき?!

交通事故後の痺れに悩まされる被害者の方はたくさんいます。ですが、2~3日で治まるだろうと考え、病院には行かないという人も少なくありません。
しかし、病院へ行かなければ「後遺障害等級申請が出来ない」「交通事故との因果関係が証明できない為慰謝料を請求できない」といいう問題が起こるケースがあるため、必ず行く必要があります。

では、どこの病院へ行くかというポイントは以下の3つです。

  • 総合病院へ受診する
  • 総合病院が近くにない場合、整形外科を受診する
  • ※症状によっては、脳外科又は脳神経外科を受診してください

  • 整骨院又は接骨院へ行ってはいけない

順を追って解説します。

総合病院へ受診する

痺れの要因はいくつも考えられる為、検査を受けなければ断定できません。総合病院は設備が整っている為、必要な検査を受けることができ特定できる可能性が極めて高いです。また、保険会社と連携している病院は多くあるため、治療費を窓口にて支払う必要がない場合もあります。
※治療費については病院へ行く前、保険会社に確認しましょう。

総合病院が近くにない場合、整形外科を受診する

整形外科でも最低限の検査を受けることが出来ますが、総合病院より検査できる幅は狭まります。例えば、頭を強打したことによる痺れが疑われる場合、脳外科を受診しなければなりません。受診先は事故状況によって異なるため要注意です。

整骨院又は接骨院へ行ってはいけない

整骨院や接骨院の医師は国家資格を有していません。そのため、後遺障害等級認定に必要な後遺障害診断書の作成が出来ません。総合病院や整形外科へ通院後であれば、問題ありません。

後遺症状と後遺障害等級の結びつき

交通事故によって「手や指の痺れ」が残ってしまった場合には、「神経系統の機能障害」として、症状の重さに応じて12級13号または14級9号の後遺障害の等級が認定される場合があります。認定される基準としては以下が挙げられます

後遺障害等級14級9号 頚部や肩甲部の局部の痛みに加え、局部から手指にかけて、痺れやだるさなどの神経症状を残す場合
後遺障害12級 局部に残る神経症状が長引くと医学的に証明できる場合

※後遺障害の等級が認定された際に、そのことに対する損害賠償を相手側に請求することができます。適正な等級認定が受けられるかどうかによって、このあと受け取れる損害賠償金の額に大きな差が出る可能性もあるため、注意が必要です。

後遺障害等級における慰謝料の相場観

次に後遺障害が認定された後の等級別に慰謝料の相場を解説します。まず慰謝料についての基準は以下の3つが挙げられます。
■後遺障害等級別、慰謝料の相場

後遺障害等級 自賠責基準 任意保険基準(目安) 弁護士基準
第12級 93万円 150万円 290万円
第14級 32万円 45万円 110万円

表を見るとわかる通り、「自賠責<任意保険<弁護士」の順で慰謝料が貰える金額が高くなっています。したがって、どこを通して慰謝料の請求をするかが重要になっており、特に理由がなければ弁護士に相談するのが最善だといえます。後遺障害の慰謝料請求に限らず、適正な等級認定を受けるためにも、まずはお近くの弁護士事務所に電話で相談してみるのがいいでしょう。

逸失利益の請求

交通事故で手の痺れなどの感覚障害、運動障害が残ってしまった場合には、慰謝料以外にも逸失利益を請求することができます。

逸失利益とは?

交通事故の後遺症によって労働能力が失われた場合、今後得られるはずだった被害者の利益のことを逸失利益(いっしつりえき)といいます。逸失利益は一定の計算方法によって求められます。

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対する中間利息控除係数

逸失利益の計算時に必要な項目についてみてみましょう。

  • 基礎収入=後遺障害が残る前に得られていた収入
  • 労働能力喪失率=後遺障害が残った事による減収の割合
  • 労働能力喪失期間=後遺障害によって発生する減収の期間
  • 中間利息控除係数=逸失利益を症状固定時の金額にするための係数

また、これらの項目を理解した上で、入力項目に入力すれば計算結果の出るサービスもあるため参考にしてみるのもよいでしょう。しかし、あくまで目安ではあるため、弁護士に依頼するのが確実です。

痺れがあるなら症状固定を行ってはいけない

事故後からしばらく経つと、相手方の保険会社から症状固定の催促が届くことがあります。しかしこの打診に安易に応じるのはやめておきましょう。というのも、症状固定の最終判断をくだすのは保険会社ではなく医師だからです。

もし、多少でも事故後の違和感が消えず、何らか後遺症状が残っていると感じたら、その症状を医師に伝えることが大事です。この打診に応じてしまうと、相手方からの保険会社から支払われる治療費は打ち切りとなってしまいます。

相手方の保険会社も「なるべく早い段階で治療費を打ち切りたい」という思いがあるため、一度打ち切ってしまった後に再度、症状が重くなったとしても交渉に応じてもらうのが難しくなってしまう可能性もあります。だからこそ、症状固定は慎重におこなうことが必要です。

交通事故の痺れにより高額の賠償が認められた判例

交通事故により痺れ等の後遺症が残り、高額の賠償が認められた判例を紹介します。京都地方裁判所で、平成20年に下された判決です。被害者は調理師の男性で、交通事故とその後の必要な治療の結果、腰椎の痺れ等の後遺症が残ったという事例です。この判決で認められた賠償額は約1500万円であり、86日という入院期間中の営業利益や後遺症による逸失利益等などが総合的に検討されました。ポイントは、男性は交通事故後に手術等の治療を繰り返し受けたにもかかわらず、痛みや痺れが残ってしまったという点です。治療したにも関わらず、完治できなかったという側面が高額の賠償につながりました。また、痺れ等の症状によりうつになったなどの事情があるならば、賠償額はより高額になる傾向があります。交通事故後、治療を受けたにもかかわらず痺れが残って不自由を感じている場合は、正当な賠償を受けられたのかどうかをあらためて考えてみましょう。

交通事故の被害者となったら早めに弁護士へ相談

交通事故の被害者となったら早めに弁護士に相談するのが最善といえます。とはいえ、個人間での示談交渉や保険会社との交渉次第では知らず知らずのうちに不利な条件を受け入れてしまっている可能性があるからです。

※適切な後遺障害の等級認定を受けるための手続きをスムーズに進めて、より適切な額の慰謝料を受け取るためにもなるべく早く、相談だけでも弁護士に頼ることが重要です。